『目』ってオレサマ な話
タイトル、大好きなWebマンガの一節より引用させてもらいました。
そのマンガの話は後程。
高校生の娘が、7月1日からいよいよ就職活動に入ります。
中学で色々あって、もともと勉強と集団行動が苦手な娘は、定時制・単位制の高校に入りました。
高校に入ってからもまあ色々ありましたが、なんとか順調に単位を取って今年の3月に卒業予定。
なんたって勉強と集団行動が嫌いなため(笑)、大学進学も勧められたのですが自分の意志で就職を希望しています。
そんな娘。高校に入ってから色々変わりましたが、一番変わったのが髪の色(笑)
彼女は、高校に入ってから、口癖のように「髪の毛染めたい」「ピアス開けたい」「脱毛したい」「整形したい」と言っていました。
それで、1年生の秋からバイトを始めました。
勉強は嫌いだけど働くのは好きな娘。居酒屋のホールというのがまた性に合っていたのか、それなりにハマったらしく、結局今同じ場所で3年目のバイトをしています。
(本当はいろんな職種を体験してほしかったんですが(笑))
ここ最近は、毎月7万くらい稼いでいます(扶養から外れるわけにいかないのでそのギリギリの線を狙っている)
自分で稼いだお金を何に使おうか彼女の勝手です。
ただし、ピアスに関しては「ダメ。20歳になってから」と言っています。
「整形」も多分本心ではないと思っているけど、とにかくそういう「体に傷をつけるタイプの事」に関しては成人してから考えろ、と言ってあります。
(まあ、この辺、他の方はいろいろ思う事があるかもですが、我が家の方針なんで。)
ただ、髪染めと脱毛は好きにすればいいと思っていました。
脱毛に関しては結構なお金をかけて行くことを決意。もう1年以上通っています。
もちろんすべて自分の稼いだお金で。
そして美容院代も自分のお金で出しているので、放置していました。
この3年くらいの間に本当にいろいろな色にしていました。
とにかく人と違う色がいいからと、シルバーやピンク、先日までは青、紫の時もあったかな(笑)
おかげで髪の毛は凄く傷んでいますが、自分で納得してるんだからまあいいんでしょう。
で、初めに戻りますが、7月から就職活動になります。
本人もそれは解っていました。そして、昨日髪の毛を真っ黒に染めてきました。
黒い髪の娘は、やっぱり見ていて安心するし、親バカ目線で言って可愛い。
いや、いろんな色の髪をしていた時ももちろん可愛かったんですが、やっぱり黒は清楚なイメージというか真面目そうというか、私は好き(笑)。
でも、本人はとても嫌がっている。
「今すぐ消えてなくなりたい」とまで思っているらしい。なぜそこまで思うのか不思議で仕方ないですが。
まあ、そんな事を言いつつも、ちゃんと黒く染めてるし、スーツも買ってちゃんとしようとしている娘偉いとか思っている親バカです。
が、しかし。
実は私の方がちょっと引っかかっている。
なぜ、就職活動は、黒髪、スーツで行かなければいけないのか。
答えは解っています。それじゃないと「ちゃんとしてないヤツ」と思われるからでしょう。
最近、学校の校則での髪型の事を結構色々文句言う人はいますが、そんな人たちでもやはり、「就職したら派手髪は禁止」という社則に対して文句を言う人は少ないのではないでしょうか。
では、なぜ。
なぜ、派手髪はダメなのか。
元々私も超保守的な人間なので、髪の毛を染めるなんてもってのほかだと思っていました。
日本人は黒髪が一番似合う。なのにわざわざ色を変えるとかナンセンス。と思うタイプでした。
実際、私自身、白髪染め以外は髪の毛を染めたことはありませんでした。
しかし、うちの娘は、おしゃれとは一番遠くに住んでいる私の娘なのにすごくおしゃれに興味があります。今もどこに行くにも1時間以上かけてばっちりメイクしていかないと気が済まないタイプです。
でも、それが彼女の矜持。それをすることで自分に自信が持てるようだし、元気になれるようである。そうすることで、学校を休んだり、悪い奴とつるんだり、非行に走ったりなんてことはまるでない。
・・・だったら、それでいいんじゃないの?
髪の毛が青くても、うちの娘はとてもいい子だし、勉強は出来ないけど、頭の回転は速いし、コミュニケーション力も高いので、本当に会社では即戦力になりますよ、って言いたい。
でも、やっぱそうは思わないんですよね。
青い髪で就職活動したら、やっぱ落とされますよね。普通の企業なら。
しかも彼女、結構お堅い企業に勤めたいっぽいし(笑)
冒頭で話した私のお気に入りのWebマンガ。
「ヤンキー君と白杖ガール」という作品です。
顔に傷がある事で周囲から恐れられて、ヤンキーになってしまった無職の男の子と、弱視で盲学校に通っている女子高生のラブストーリーです。
ひょんなことから出会って、恋に落ちる二人ですが、無職だったヤンキー少年が、彼女にプレゼントを買ってあげたくて、お金を稼ぐため職に就こうと色々面接を受けるけど、顔の傷の事で断られ続けるという話があります。
そんな事が続いて落ち込んでる彼が、彼女との電話で、「顔に傷があって見た目が怖いから面接に落ちる」と愚痴ると、彼女は「なんで?」と聞きます。
彼女は弱視で彼の顔の傷がほとんど見えません。だから怖くないのです。彼は自分の言いたいことが上手く相手に伝わらないので、思わず、
「ユキコさん(←ヒロインの名前)も、見えてたらこのキズ怖いって思いますよ!」
と言ってしまいます。
その時に彼女が「そうかもしれないが」と答えるセリフが、タイトルに使わせてもらったものです。
『目』ってオレサマなんだよ
私は昔は今よりみえてたからなんとなくわかるのだが、人が持つ『五感』の中で『視覚』の自己主張はハンパない!!
(中略)
『味覚』が主役のはずの料理でさえ8割は目で味わっていると言われているくらいだ
(中略)
目が見えると他の感覚をおろそかにして生きていきがちなのではなかろうか
そういうわけだから視覚優位で生きている者が人の外見に振り回されてしまうのはしかたがないことかもしれない
これを読んだ時、すごくハッとさせられました。そしてこのマンガが大好きになりました。
結局目が見えると視覚に頼ってしまう。私だって全身刺青の人とか、すごいサングラスかけてヤンキーみたいな人を見たら怖いと思ってしまう。
黒塗りの大型セダンはもれなくヤバい人の車だと思っている(笑)
赤の他人の女子高生がうちの娘と同じ髪色をしていたら、この子なんだろう?と思っていたと思う(正直自分の子がそうなるまではそういう目で見ていた)
「見た目で判断してはいけない」んだけれど、結局人間というものは視覚に支配されやすい。私はそういう偏見をなくそうと自分で思ったけれど、私一人が思ったところで世界が変わるわけじゃないし、実際未だに私も偏見を持ってる部分が多い。
だったらやっぱり、就職活動には、黒い髪で、ちゃんとスーツ屋で採寸したスーツと就活用バッグ、黒のパンプスで臨むしかない。
…でも、そういうの、どうでもよくなる世の中が、すぐそこに来ている気もします。
将来どうなるか楽しみですね。
とりあえず今を生きて、今就活をしなければならない娘は、本人なりのベストを尽くして、本人が納得いくような将来への道をつかんでくれたらいいと思っています。
娘の話はいろいろあるので(笑)、またおいおいゆっくり話したいです。
最後に、もう一度おススメのWebマンガを。
本当に全世界に広めたい。私は障がい者が出てくるマンガって基本的に読まないのですが、これは本当に目から鱗です。
この本の詳細な紹介ブログを書こうかと思ったんですが、全然上手くまとめられなかったので、とにかく読んでください!としか(笑)
無料ですので是非。(2巻まで単行本も出てますので、書籍が欲しい方は是非そちらも!私は本も買っちゃってます(笑))